ペットイメージ

ペットはじっと待っていてくれる

私は犬が大好きで、子供の頃からペットとしてずっと飼ってきました。
大人になるまでに合計二匹の犬と一緒に暮らしてきましたが、犬のことを知れば知るほど好きになってしまいます。
二匹目の犬は小さな室内犬でした。
毛がふさふさとしていて、さわると気持ちがよく、見た目にもかわいらしくて近所の人気者でした。
散歩に行くと後ろを振り返られたり、子供の場合は「かわいい」と言いながら、犬の背を撫でに寄ってきたりするのです。
自慢のペットでした。
その犬もやがてだんだん年を取ってきました。
人間より早く老いが来るのは当然のことです。
かなりの老犬になった頃、私には将来をともにしたいと思える人ができました。
遠距離恋愛だったので、彼の方から毎日電話してきてくれていました。
当時は携帯ではなく固定電話だったので、子機を自分の部屋に置いておいたのです。
それで電話が鳴って私が取ると、犬が瞬く間に走って私の部屋に入ってくるのです。
ドアが閉まっているときは、開けて開けてと言わんばかりに、ドアのところを前足でひっかきます。
それでやむなく開けるのです。
何か気づいていたようで、彼からの電話に限ってやって来るのです。
そして邪魔をするでもなく、ただじっと私の横に座っています。
話を聞いているかのようでした。
私達は出会ってからわずか数か月で結婚しました。
結婚前に彼が家に来た時、はじめて犬と会ったわけですが、彼も犬好きだったのですぐになつきました。
それでもいつもと違う何かを感じ取っていた様子で、ちょっとそわそわしているようにも見えました。
結婚で家を離れた時は、わかっているのかわかっていないのか、犬はただじっと座っていました。
新居は電車を利用すると二時間ほどのところでした。
それで私は、たまに犬に会うために帰省しようと考えていました。
それで大して寂しいとも思わずに、犬とお別れしたのでした。
私がいなくなってから、犬は毎日玄関のところに座って私が帰ってくるのを待っていたそうです。
お嫁に行ったから帰ってこないと実家の両親が説明しても、よくわからない様子だったそうです。
来る日も来る日も忠犬ハチ公のように、じっと待っていてくれたそうです。
それから数か月後、はじめて里帰りした時には犬は相当弱っていて、とても辛そうでした。
にも関わらず尻尾を振って喜んでくれました。
私が来た日だけは食欲も戻って、おいしそうに食べていました。
私が実家にいたのは一泊だけだったので、次の日にはもう帰りましたが、後ろ髪を引かれる思いでした。
そしてそれから、わずか一週間で愛犬は亡くなりました。
もう実家に戻っても犬はいません。
でも素敵な思い出だけは残っています。
ペットは家族と言いますが、本当にそう思います。
十数年という短い期間でしたが、出会えたことに今でも心から感謝しています。

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